高橋規矩治郎の世界

 

追悼特別展 「画業70年高橋規矩治郎の世界」
於:SGT美術館
開催期間 令和3年9月3日(金)~12月24日(金)

昨年6月29日90歳で他界された洋画界の重鎮高橋規矩治郎画伯(1930-2020光風会理事、日展審査員)を悼み特別展を企画いたしました。


房総で生まれ育ち房総の海辺を70年にわたり見つめ続けた画家の大作11点を一挙公開いたします。代表作海辺の碑は縦193cm横422cmの超大作。今回合計1000号を超える高橋作品を展示いたします。

高橋絵画は大きく分けると1~5期に変遷しています。高橋は千葉大学在学中から絵画の才能を発揮30代で日展特選を受賞、このころ多くの作品のモチーフに船と水辺を写実的に描いているいわゆる第1期である。第2期は船を構築的・構成的に描き出し漁港の臨場感を追求。第3期は視点を空に転じて悠然と舞う鳶を描き非現実的でやや抽象的と思われる画風が現れる。第4期は西方(ヨーロッパの都市)に画題を求めた時期。そして晩年東日本大震災以降は花をモチーフに金箔を配したきらびやかな花シリーズが第五期となる。

今回の特別展で画伯のご冥福を祈るとともに画家の情熱と作品からみなぎる光と風そしてぬくもりを感じ取っていただければ幸いです。
今回の展示にはご遺族の高橋小枝子様、高橋規矩治郎の作品を守る会様より当館に全11点が寄贈されました。

年譜
高橋 規矩治郎  (たかはし きくじろう)
 
1930年(昭和5年) 千葉県出身
1952年(昭和27年) 第38会光風会展初入選
1953年(昭和28年) 千葉大学教育学部美術科卒業
第9回日展初入選
1965年(昭和40年) 紺綬褒章受章
1967年(昭和42年) 第2回昭和会展「船と工場」「埋立地帯」
1970年(昭和45年) 第2回改組日展特選「滞船」(1977年/第9回同展特選「漁港」)
第13回安井賞候補展「漁港」(1971年/第14回同展「滞船」)
1986年(昭和61年)  千葉県美術会常任理事に就任
1990年(平成2年) 第76回光風会展つばき賞「漁港の構図」
1991年(平成3年) 第23回改組日展新審査員 千葉市美術協会理事長に就任
1996年(平成8年)   千葉県庁新庁舎正面ホール壁画作成(共同制作)
2020年(令和2年) 6月29日死去(90歳歿)